設定画面「音楽フォルダ」に関する解説です。他のSonicサーバと見た目はあまり変わりませんが、機能が少し異なります。この記事には「音楽フォルダ」の設定ページの各項目の説明と、スキャンの仕様に関する付加的な情報が記載されています。
フォルダの指定
登録方法はSubsonicやAirsonicとほぼ変わりませんが、改善されている仕様がいくつかあります。全体として堅牢な実装に変更されており、また多数のフォルダ分けする管理を好むユーザにとって有利な改修が行われています。
フォルダの順序
登録可能なフォルダ
以下のパスは登録はできないようになっています。
- ルートパス
- 相対パス
- プラットフォーム上で無効な形式のパス
- サブフォルダ
フォルダの存在チェック
従来このページにはフォルダの存在チェックが存在しており、アクセス不能なフォルダには警告が表示されていました。Jpsonicではこのページに限らずフォルダの存在チェックのほとんどが抑制されています。性能の低いプラットフォームにおいてパフォーマンス障害の原因になるためです。
もしアクセス不能なフォルダが登録された状態でスキャンを行った場合、そのフォルダは強制的に無効化されます。
フォルダの統計情報
「About > 内部詳細 > 統計情報」に表示されるアルバム/曲数数やファイルサイズといった統計情報は、ミュージックフォルダごとに表示されるようになりました。
スキャンの実行
従来のSonicサーバとは異なりJpsonicではスキャンのキャンセルが可能です。スキャンを開始するとボタンが「キャンセル」に変わります。できるだけ安全なポイントで処理を中断するための機能であり、提供されるのは時期尚早の停止と再試行による復帰です。NAS停電時のシャットダウンのような緊急ケースを想定した機能です。
スキャン中にシャットダウンが実行された場合にもほぼ同様の処理が行われます。前回のスキャンが「キャンセル」「シャットダウン」「不明なエラー」のいずれかで終了している場合、スキャンのボタンの横に警告が表示されます。
タイムスタンプを無視する
Subsonic系統のサーバは、スキャン済みのデータとファイルの更新日を比較して再度パースが必要かどうかを決定しています。このオプションを有効にすると、更新日の比較を行わず、新規スキャンとほぼ同様のスキャンが実行されます。スマホの「出荷時の状態に戻すボタン」に近い機能です。
このオプションはAirsonic時代から存在しますが、隠しオプションとして実装されていました。Jpsonicでは正式に機能の一部として公開されています。
- Airsonicで隠しオプション扱いだった理由はレアケースで使用される機能であるためです。Subsonic/Airsonicでは特定のプラットフォーム上でファイル更新の検知漏れによりデータが更新されないケースがありました。このときの復旧手段のひとつとして用意されていたものです。Jpsonicではこの点は改善されているので、この目的で使用されることはありません
- 別の用途でJpsonicではこのオプションが必要になる場合があります。
- Jpsonicアップデート時に「フルスキャンが必要」と告知されている場合。これは極力避ける方針ではありますが、機能改善のためにデータベースや検索索引の仕様変更があった場合に必要になってしまいます
- 検索データが壊れたり重複が発生してしまった場合。これは通常の運用ではなく、主にデータベースの切り替え時のタイミングで発生する可能性があります(SubsonicやAirsonicでも発生します)。Subsonic系のサーバはデータベースと検索エンジンの2つのストレージデータを持っています。これらはそれぞれのレコードが共通のIDを持つことによって連携しています。データベース新規作成時には同じファイルだからといって同じIDが採番される保証はありません。レガシーサーバではこのような状態になったときに索引ディレクトリを削除してスキャンしなおす必要がありました。Jpsonicではこのオプションを利用することでリセットできます
更新履歴
この記事を書き換えたときに以下に追記します。
- v112.0.0
- 「フォルダの順序」「フォルダの統計情報」を追加
- 特殊なプラットフォームでスキャンができない問題を回避するための暫定機能が削除されたため「その他の設定」を削除
- 「タイムスタンプを無視する」を追加
- 「Jpsonicのスキャンの特徴」に「スキャンの仕様」を移動
- v111.6.0
- 「登録可能なフォルダ」「フォルダの存在チェック」「スキャンの実行」を追加
- 「その他の設定」を修正
- v111.0.0
- 「Jpsonicのタグ仕様(v105.1.0)」と「Jpsonicのスキャン仕様(v107.2.0)」を併合し、記事内容を圧縮
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